startearsの山旅日誌

再び山歩きが出来るようになることを夢見て..

西上州 星尾峠・荒船山 (1,423m)  ●●★★★△

荒船山(京塚山:1,423m)とは

星尾峠というと、大島亮吉の著書「山-随想」に書かれている、「それは荒船の頂上高原の南端近くのところを超えて、上州の山里から信濃の山あいの小村へと通っているひとつの小さい峠だった」。以下、表される様、西上州の山域にあって、実に素朴な峠のひとつである。その峠の道中には、「荒船不動」があって、別名「出世不動」ともいわれるよう、そこには「大学合格祈願」をはじめとする旗が飾られている。荒船山は、南北に細長い頂を持ち、最南端に最高点である京塚山(1423m)、また最北端には艫岩の大絶壁を作っている。かつての航空母艦「荒船」の名も、ここから取ったそうである。

 

 

 

行程概要

期日 1979年4月4日(水)
日程 前夜発日帰り 行程 4時間10分
メンバー 単独
地図 御代田(国土地理院)
交通費用 5,210円 宿泊費用

アクセス

●バス:

荒船山(京塚山:1,423m)MAP

星尾峠・荒船山ルート図

星尾峠・荒船山ルート図

星尾峠・荒船山MAP

星尾峠・荒船山MAP

山行記録

1979年4月4日(水)

天候

コース&タイム

上野駅(0:22)⇒(信越線、急行信州9号、¥1,800[¥600])⇒小諸駅(4:10, 6:37)⇒(小海線)⇒中込駅(7:05, 8:26)⇒(千曲バス、¥330)⇒初谷バス停(8:52,8:54)→[0:20]→神房橋(9:12)→[0:40]→大河石橋(9:22)→貯水池(9:27, 9:30)→荒船不動(9:48,10:00)→近道分岐(10:17)→星尾峠(10:38,10:43)→[0:15]→京塚山入口(10:59, 11:03)→[0:10]→京塚山(11:17, 11:24)→[0:07]→京塚山入口(11:37, 11:47)→[0:40]→第2休憩所(12:00)→艫岩・枯木の分れ(12:13, 12:32)→[1:00]→小屋場分岐(13:29)→相沢(14:11, 14:31)→[0:30]→三ツ瀬(15:00, 15:27)⇒(上信バス、¥440)⇒下仁田駅(15:58, 16:10)⇒(上信電鉄, ¥760)⇒高崎駅(17:09, 17:22)⇒(高崎線、急行佐渡4号、¥1,000[¥600])⇒赤羽駅(18:40)

食事

  • 朝:牛飯(インスタント)
  • 昼:チョコレート3個、アメ玉
  • 夕:上天ぷらうどん

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山行日誌

山に行くのに上の駅から発ったのは初めてではないか?久しぶりの入山。晴れて大学にもどうにか引っ掛かったので、正月の約束通り三峰神社からお礼参りをかねて5月の連休には雲取山から金峰山まであるいちょうか?和名倉山にも登らないといかんし...でも近頃太り気味で、体力も低下。山カンも鈍っていることだし、ひとまず軽い参考を!ということで、大島亮吉水栓の荒船山をやろうというわけまのだ。

明日の寒さは予想以上...また、去年の乾徳山の二の舞かと思ったけど、小諸駅の待合室にストーブがとぼとぼと焚いてあってひとまず安心!土地のおばさんと一言、二言かわしたけど、蓼科(立科)に住んでいるとかで、「あ、僕も蓼科山に登ったことがあるんです」と言ったら、彼女は毎年登っているとかで(多分、田畑の方策を祈っているということで)、唖然としてしまった。「今日は一人?」というから、「そうです」と答えたら、「気を付けてね」と、さも心配そうに言うんやけど、単独登山の意義を話しても仕様がないだろうから、素直に頷いておいた。

駅の構内がにわかに活気ずいてくる朝6時半ごろ、小海線の始発に乗ったけど、走り出したとたん列車の横から煙を噴き出してすぐ停車。ボ、ボロイ!しかし、駅員の連中は、笑いながら消火器のアワをぶっかけて、列車を駅に再びもどした後に発車。ほんと大丈夫なのかな...もう!それから、小海線の途中の駅に「乙女」という駅があって、あそこの駅の入場券がほしかったナア。「乙女への入場券」って、いかしてるじゃない!

中込駅で飯を作っていると、すごいデボイが「昔を思い出すな...」だって!その友人が「オレも昔はよくやったな」ときた。一瞬、「ムカ!こいつオレをナメてるのか!」と思ったんやけど、ハテ?よく考えると馬鹿にされたわけでもないのかな?と思ってケンカ腰になるのは思いとどまった。いいかげんバスの遅れにしびれをきらしていると、やっとこさ来た。行先は初谷。

さて、右手情報に新道を見て、こちらは谷川の道を行く。兜岩山のゴツい山容と、その東のピラミダルな山が印象的だ。目指す荒船山はというと、ほんとうに頂上部は平たんで、南橋にニョキっと盛り上がった京塚山が望める。全山霧氷で白く染まっているのが鮮やかだった。

神房橋下を通って、大河石橋という木製の橋を渡ると、そこからは山道。貯水池がすぐ見えてくるが、山に囲まれているだけに気分が良い所だ。そこからは、明るい太陽の日を浴びながら、足取りも軽く登って行く。日陰に多少雪が残っている程度で、歩きやすい道だ。やがて荒船不動にたどり着く。腰を下ろしていると、常在のおばあちゃんが来て、「荒船に遊びにゆくんか?」と言うから「そうです」と応えたら、「不動尊におまいりして行きなさい。出世不動様だから」というので、頭をぺこっと不動様に下げて50円玉を奉納した...これで出世間違いなし。

荒船不動から登りもやや苦しくなったが、軽荷なんで全然こたえない。沢沿いの良い道だ。近道を分けて、少々ジグザグを繰り返すと、もう頭上に鞍部が見える。星尾峠だ。素朴な峠で、木々の間から京塚山の岩壁が見える。そこから京塚山入口まで、階段坂を一足とばしで着く。そこからが大変だった。京塚山への道は凍っていて、しかも急だから木々にすがりながら行かなければならなかった。頂上は西方面に展望が良好だけど、あとは期の枝がじゃまで展望不良。風が強いから早々に辞し、下りも気を付けて降りた。

荒船山の頂部は高原となっていてる。道もほとんど平坦で、気持ち良いワンダリングが楽しめる。雪解けの道がぬかっていることを除けばの話ではあるが...足元の笹のすれちがう音に山酔いを感じながら、第2休憩所に着く。小屋は荒廃。相沢へのふみ跡が下っている。しばし歩いて、沢にぶつかった。頂上に沢があるなんていかにも不思議だ。ここは水場となっていて、キャンプにも適している。もう枯木の分れはすぐで、ここから1分ほどで展望の素晴らしい艫岩の真上に出る。正対した浅間山が何と言っても見事だ。白い雪を冠り、噴煙を上げて...またすごい高度感も味わえる。里の道路もはるか下に見える。ここでしばしの休憩だ。なお、上信電鉄の小屋は廃滅。

枯木の分れから、相沢への道を取ると、山の裏側で道は雪に覆われていて、しかも岩壁近くを下るわけだから、すごく急だ。強引に進もうとすると足場が壊れる。さすがの僕もおじけずいて一度戻った。「道が違うのではないか」と思ったが、あっているみたいだ。山の北側だから雪が残っているのだ。さて、ルートを変えようとも思ったが、スパッツを付け、細引きをズボンに突っ込んで強引に脱出を試みた。しかし、その悪罵を通過すると、あとは平々凡々な道が相沢部落へと導いてくれた。途中に小屋場方面へふみ跡を分けると、沢沿いの木道である。相沢で一休みして三ツ瀬に向かった。三ツ瀬では、コーラを片手に、荒船山を振り返った。艫岩が遠くに聳えていた。


フォトアルバム

中込の町から白雪被る浅間山

中込の町から白雪被る浅間山

あの真っ白な雪の上を歩いて浅間の山頂に向かって歩きたい。

初谷から山に入ったところにある人造湖

初谷から山に入ったところにある人造湖


荒船不動尊

出世不動尊というので、立身出世を祈って手を合わせた。

京塚山頂上からの展望

京塚山頂上からの展望

山頂に立って、このひと時がとてもうれしい。



霧氷

霧氷

芸術が何かはわからないが、こういう自然の景観を芸術だと感じる。

艫岩の絶壁

艫岩の絶壁

下を見ると目が回りそう

下を見ると目が回りそう

八ヶ岳南部

八ヶ岳南部

浅間山

浅間山

日本百名山で登りたい山だが、火山活動で山頂付近は現在立ち入り禁止になっている。

三ツ瀬の部落から荒船山に別れを告げて

三ツ瀬の部落から荒船山に別れを告げて

関連サイト

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