startearsの山旅日誌

再び山歩きが出来るようになることを夢見て..

両神山(1,724 m)(八丁尾根ルート) ●●●★★★❖

両神山(1,724m)とは

秩父の異端児である両神山。ノコギリの刃のように左右はぶっ切れて、見るからに昔の修道者が気に入りそうな山だ。日本武尊が東夷征伐の時、この山を八日間眺めたから「八日見山」となり、それが両神山となった。また、ヤオガミが龍神となって、この名が出来たとも言われる。両神山は、イザナギイザナミの二神を祀っている。山道には石碑などがあり、昔から信仰登山の場であった。以前、この山を秩父の妙法ヶ岳から見たことがあった。そして、この山行も、正月から予定したものであった。

 

行程概要

期日 1977年5月3日(火)~1977年5月4日(水)
日程 1泊2日 行程 8時間40分
メンバー 2名(同行者1名:S)
地図 万場(国土地理院 1/50,000)
交通費用 2,100円(含む 荷物代) 宿泊費用 100円(幕営費)

 

コース

池袋⇒(西武鉄道急行、¥430)⇒西部秩父⇒(バス、直通急行¥390(¥200))⇒納宮→樽尾沢峠→日向大谷→清滝小屋→産奏尾根→本社

→剣が峰→八丁峠→坂本⇒(バス、¥260)⇒小鹿野車庫⇒(バス、¥260(¥130))⇒西武秩父⇒(西武鉄道急行、¥430)⇒池袋

両神山MAP

両神山MAP

スポンサーサイト

両神山八丁尾根ルート図

両神山八丁尾根ルート図

山行日誌

第1日:1977年5月3日(水)

天候

晴れ

コース&タイム

池袋(7:12)⇒西武秩父(8:52、10:00)⇒納宮(11:00、11:05)→

昼食(12:25、13:10)→樽尾沢峠(13:15)→日向大谷(13:30、13:35)

→八海山(15:15)→弘法ノ井戸(15:40、15:45)→清滝小屋(16:00)

食事

昼:弁当、紅茶

夕:ボンカレー(甘口)、福神漬、コーヒー

 

日誌

5月連休の天気が心配される中で、第1日目は見事に晴れ渡った。

西武秩父から、シーズン中の休日のみ出る志賀坂ロッジ行きの直通急行バスに乗る。バスは暖かい日差しを受けて、山村の間を通り抜けていく。納宮で下車した我々は、さっそく樽尾沢峠への急騰で息を乱した。沢から支尾根にとりついて、ぐんぐん上る。後方には、西上州の山々の展望が開ける。とんがり帽のような山はオドケ山だろうか?

途中に土砂崩れで道が切れていた。下は谷だ。思わぬ所で、神経を使う。

 

峠の手前で昼食を取り、樹林の中を日向大谷へ。両神神社の前を通り、再び登りにるく。所々流れる山水を賞味しながら、だらだらした登りを清滝小屋に向かう。またも、息を切らして沢筋を離れること、八海山の標識を見る。

 

弘法の井戸で冷たい清水をがぶ飲みし、間もなく清滝小屋に着いた。遠く秩父の町の夜景を眺め、連れのSとの話もさながら、夜も更けいつのまにかねえいs待った。隣では、学芸大の女子山岳部の歌声が響いていた。

 

第2日:1977年5月4日(木)

天候

曇り:午後からガスが出てくる

コース&タイム

清滝小屋(5:30)→本社(6:15、6:20)→剣が峰(両神山)(6:45、7:10)

→前東岳(7:30)→東岳(7:45、7:50)→西岳(8:55、9:05)→

行蔵坊(9:15)→八丁峠(9:55)→坂本(13:15、13:25)⇒

小鹿野車庫(14:05、14:35)⇒西武秩父(15:23、16:54)⇒池袋(18:44)

 

食事

朝:ご飯、ふりかけ、インスタントみそ汁、缶詰(サンマの蒲焼)

昼:レーズンパン、紅茶

 

日誌

翌朝、とはいえまだ暗い真夜中の2時頃、「ラインクロス」の寝言とともに飛び起きた。何故か、バスケットの夢を見ていたのである。山とバスケットがどう結びつくかは疑問だが、Sがコーナーからのスローインで確かにラインクロスしていた。かわいそうに、Sはその寝言で起こされたようだ。(。・з・。)φ

それから、外に出て夜の山をうろついて、またテントに入ってうっとりしたころ、目覚まし時計に起こされた。

 

早々に清滝小屋を出発して、産泰尾根の急騰に取り付いた。小一時間ほどして、本社の前に出た。そこから一度下り、富士見坂を登って行く。途中、鎖場があるヤセ尾根を通て両神山山頂(1,724 m)に出た。不幸にして曇天で、広い展望は得られなかったが、周囲の山々だけでも気分は良好だった。

寒さで、早々に頂上を後にして八丁峠へと向かった。小さな登降が続く。天理岳、尾ノ内に至る道は、廃道に近くなっている。ピークとピークの間は落ち込み、浮石が多い。特に、東岳と西岳の間はキレット状をなし、鎖に張り付いてトラバースするところもある。慣れない人には緊張するところだろう。注意をすれば、滑落はしないだろうが、落石だけは絶対にしてはならない。

 

行蔵峠から鞍部に出て、少し登ると八丁峠に出る。そのまま尾根を辿る道もあるが、未開発で危険だ。そこから、坂本への道をたどり、沢沿いの道を足元に気を配りながら急ぐ。少し、ガスが出てきた。発破工事で迂回する所もある、

小社を右に見て、しばらく行くと広い道に出る。それを右にたどって、坂本の村落へ行く。平日のバスは、そこまで下らないとない。北に岩壁を持つ二子山の姿は異様だった。この山も近いうちに登るだろう。

 

秩父の町での1時間は、うどんを食い、武甲山を見ていた。山としての生命力を失いつつあるこの山は、高く、重く聳えていた。なお、りゅおうが見山への他のルートとして、白井差からのもの、梵天尾根、また八丁峠から中津川に下るものがある。

 

スポンサーサイト